恵方巻きがかわいそうになってしまう。
安売りしても売れ残りになるという話だ。
節分に食べる恵方巻きが、実は毎年のように大量に売れ残り。
コンビニやスーパーでよく宣伝されるけれど、それでもすごい量が売れ残り、結局大量廃棄するという。
企業努力とは裏腹に全然売れていないのだ。
話はそれだけでは終わらない。
節分を過ぎても売れ残りの恵方巻きは、スーパーで半額安売りに“格下げ”されているのをよく見かけるはずだ。
半額の安売りといえば私など飛びつくようにバカバカ買ってしまうけれど、恵方巻きは安売りされてもまだ売れ残りが大量に続く。
あの太い海苔巻きを一気に食べようとする行事は、確かにヘンテコだけれど、縁起物だけにもったいない。
売れない理由と、その改善案を自分なりに考えてみた。
売れ残りの恵方巻きを見てかわいそうになる!
節分の日が近づいても、恵方巻きがコンビニの商品棚に大量に売れ残り状態になった光景、見た人は多いはずだ。
実際見ていると、節分の日当日になってもすごい量が売れ残りになっている。
かといって、半額とか何割引かの割引価格で安売りでもするかと思ったら全然そうはしない。
コンビニは構造的に安売りを許さないシステムなのだそうだ。
けれど、定価のまま廃棄処分を待っている様にも感じる大量の恵方巻きを見て、どうしてもかわいそうになる。
見た目がかわいらしい海苔巻きだけに、すごく哀愁感だ。
なぜ安売りですら売れないのか?
でもスーパーなら安売りは出来るようだ。
実際節分を過ぎれば半額程度に割引されている。
それでも毎年のように売れ残りが大量に出るという。
要するに、消費者にとことん嫌われている。
それが恵方巻きの実情でもある。
でもなぜそこまで売れないんだろうか?
実は、そんな安売りですらダメな理由がやっぱりあるようだ。
ネット上、そして個人的な実感として感じた理由を語ってみた。
【その1】食べ方がムチャすぎ
恵方巻きはご存じの通り、恵方つまりその年の吉の方角を向いて、あの太巻き寿司を丸一本食べきる、という食べ方になる。
でもあんな太い巻き寿司を一本、男性でもキツい。
女性ではなおさらになる。
子供たちはよけいムリだ。
口いっぱいに頬張る事になるし、最後まで食べきろうとすればよくかまなくなる。
消化にも良くない。
私もある年、一本を食べてみたことがあった。
けれど、本当にそれでお腹いっぱい。
食べ過ぎになってしまった。
女性なら、一度でもこんなお腹キツキツ状態を体験したら、太るのが怖くて手が出ない。
売れ残りが大量に出ても不思議ではない理由がまずこれになる。
【その2】由来がヤバい?女性や子供に勧められない
しかもその食べている様子。
どう見ても上品とは言えない。
それもそのはずで、よく言われる恵方巻きの由来として、元は幕末から明治時代に掛けて、大阪船場商人の旦那衆が芸者にやらせて喜んでいた様ないわれがあったりする。
一種の芸者遊びといって良い。
由来も諸説あるけれど、やっぱりこれが一番有名になっている。
そして、どう考えても由来自体が健全とか、品が良いとは言えないのだ。
こういう由来を知った人はどうするだろうか?
自分の家族、例えば男性だったら嫁とか子供、とりわけ自分の娘に食べるように勧めるだろうか?
逆に、由来を知ってしまったら家族には食べさせたくないのではないだろうか?
実際、そうした声も上がっているようだ。
【その3】寒い冬に冷たい「海苔巻き寿司」ってどう?
恵方巻きは節分に食べる縁起もの。
けれど、寒い真冬の節分に、この冷たい海苔巻き寿司を食べたいと思うだろうか?
お正月にはお餅をよく食べるけれど、普通はお雑煮にしたり、焼いたりお汁粉に入れて食べたりする。
温かな食べ物の具材にして食べるので、寒い冬の人気でもあるのだ。
ところが恵方巻きは、その寒い時期に合った食べ物でもない。
食べても暖かくならない。
寒いままだ。
だから食べたいとは思えないはずだ。
そしてさらに言ってしまうと、寒い真冬に食べたいと思えるほど海苔巻き寿司は美味しいだろうか?
コンビニで、おにぎりやお弁当より魅力だろうか?
私がコンビニを訪れたら、絶対恵方巻きよりもサンドイッチに手が伸びてしまう。
【その4】定価が余計高いから安売りになっても高い
その他、まだ消費者が避けてしまう理由がある。
それが値段。
恵方巻きは節分に縁起担ぎで食べる事を目的にしているので、その分値段が普通の巻き寿司などよりも高くなってしまっている。
このためやっぱり手が出にくい。
そして、その元の値段がなまじ高いから、たとえ節分が過ぎた後に半額で売られていても、やっぱりちょっと手が出ない価格のままだ。
【その5】基本「生もの」の恵方巻きを節分過ぎに買うのは微妙?
売れ残りが毎年大量になるコンビニでは、節分が過ぎればそれらを大量廃棄する事になる。
そして毎年それが問題視になるのだが、それでも衛生上を考えれば確かに一理はある。
けれども、基本賞味期限で考えれば、節分を過ぎても賞味期限が大丈夫な限りは売ってもおかしくはない。
コンビニではそういうわけでシステム的にムリなようだけれど、スーパーなどでは節分過ぎに半額や3割引などで安売りもある。
ただ、これが微妙なところで、スーパーによりけりだとも思うけれど、賞味期限になっていない商品、特にこういう生ものの食品については微妙になる。
場合によってはお腹を壊すのではないだろうか?
買わない理由が強固過ぎ!どこか改善しなければ大量売れ残りは終わらない
こんな風に、恵方巻きがたとえ安売りでもなかなか売れない理由はそれなりに強固にある。
そういう弱点を抱えたまま、コンビニやスーパーがセールを行っても結局悪循環。
毎年大量の売れ残りはなくならない。
安売りも効かないままのはずだ。
だとすればどこかを改善していく必要が出てくるだろう。
そこで僭越だが、ちょっと提案というか、習慣も含めて売る時の改善案をいくつか考えてみた。
・一口二口で、誰でも無理なく食べられるようにする。
たとえば、
①切り分けて食べる、
②スケールダウンして、小さく短くする。
・海苔巻き寿司の太さ、縁起担ぎで食べるノルマとしての量を減らす。
・温かくして食べる方法を考える。
・値段を抑える。
・思い切って海苔巻き寿司ではない、他のもっと冬に適した美味しい食品に変える。
思いつくこととして、他の方たちもこういうことは発想できるかも知れない。
他にも食品業界がこういう習慣を見直して見るのもアリだろう。
場合によってはやめてみる、ということもありかも知れない。
そもそも由来自体、家庭向けでもロマンチックでもない。
いかにも女性好きのオジサンに受けるような由来でしかないからだ。
まとめ「売れ残りは不吉」「消費者の声を真摯に受け止めるように」
上の改善案、もちろん現実的に不可能な案もあるに違いない。
けれど特にコンビニでは安売りの自由すらないと言うし、また毎年大量の売れ残りが出るのがわかっていながら製造販売するという。
食品業界の問題点を垣間見ているようでもあり、それが恵方巻きという年中行事に顕著に出てきているのではないだろうか?
そんなムリな製造販売と売れ残りを続けるのは、縁起物である分、かえって不吉な気もしないではない。
一方、消費者、そして過酷な恵方巻きの販売ノルマを毎年課されて苦しんでいるコンビニ店を尻目に、確かに食品業界の上の方では儲けて利益を出しているのかも知れない。
だが消費者からの非難の声も年々高くなってきている。
少なくとも私自身、やめた方が良い習慣ではと思うのだがいかがだろうか?
業界の人々は、儲けるばかりではない。
消費者の声を聞き、あるいは大量売れ残りの現実を真摯に捉え、ぜひ知恵を絞ってかわいそうな恵方巻きを何とかしてもらいたいと願っている。
山口昌子(やまぐち あきこ)