「白色ワセリンを顔に塗ると、日焼けするらしいよね?」
そういう心配を聞いたことがないだろうか。
白色ワセリンというのはワセリンの一種だ。
でも、単に「ワセリン」という名前のものだと、確かに油焼けの心配がある。
実際かなり以前のハナシになるけれど、この「ワセリン」を顔に塗ると日焼けがきつくなったりしたというし、肌トラブルも起こっていたことも本当だ。
白色ワセリンは、一方で評判がよいけれど、そういう「ワセリン」の仲間なのだから、なるほど不安になってしまう。
顔に塗ったりして大丈夫?、
日焼けがキツくなったりしないの?、
などとちょっと怖くなるかも知れない。
でもちゃんと正しい使い方というのがあるようだ。
そういう不安のある方のために、どう使えばよいのか、正しい知識と使い方をお伝えしてみよう。
ワセリンとの違い-白色ワセリンなら日焼けも大丈夫!安心して顔にも塗れる!
はっきり言って、「白色ワセリン」ならば顔にも唇にさえも塗って大丈夫だ。
ところで、少し前までよく言われていたワセリンにかんする「心配ごと」として、「油焼け」というのがあった。
特に肌の弱い人が顔に塗ると日焼けがきつくなって黒ずんだりしてしまうことが多かった。
ワセリンは元々原油から作られていて、19世紀末頃から保湿用に用いられ始めている。
だが保湿効果はあっても非常に肌トラブルが多いのが昔からの欠点だった。
でも、それを解消したのが白色ワセリンだということをまず押さえておいていただきたい。
解消どころか、むしろ顔が日焼けした後の保湿ケアなどにはいちばんおすすめな保湿剤だ。
ふつうのワセリンというのは、黄色い色が付いていて、このため“黄色ワセリン”などと呼ばれるものだが、様々に不純物が混入しているし、そのため劣化しやすいので酸化防止剤などをあらかじめ含ませている。
これらのワセリン本体以外の物質が肌に塗ると悪影響を及ぼして油焼けの原因になっていた。
一昔前までは生成技術も悪かったため、ワセリン自体は保湿に向いているとはいえ、それでも不純物や混入物のために肌トラブルが絶えなかった。
それに対して大体80年代から精製度が急激に改善され、不純物の心配がほとんど無いまでに生成されるようになった。
このために副作用とか油焼けなどの肌トラブルの心配もほとんど必要なくなっている。
それで生まれたのが白色ワセリンだ。
現在、第3類医薬品にも指定されていて、皮膚科の医師でも患者に使用したりするほどの信頼性のおけるものとなっている。
だから顔にももちろん、日焼け後の保湿処理にも大変適しているのだ。
一方ふつうの“黄色ワセリン”は,今でも使われているが靱帯に塗ったりすることはまずあり得ず、もっぱら工業用、作業用に用途が絞られている。
白色ワセリンでも副作用が心配な時もある?
だが、こうした信頼性の大きい白色ワセリンであっても、時としてやはり副作用などの心配が出る場合がある。
それは日焼けとはまた別に、アトピーなど、非常に肌がデリケートな人の場合だ。
こういう人にとっては、特に肌の中で敏感な顔などは微量の不純物でも過剰に反応し、アレルギーに見舞われる危険がないわけではない。
接触性皮膚炎といって、何かの物質が肌に触れたりしただけでアレルギー反応が出る症状を持つ人もいる。
なのでこういう症状のある人にとっては、白色ワセリンでも不安に感じるかも知れない。
だからもっと純度の高いプロペトやサンホワイトを利用するとよいだろう。
プロペトなどは眼科医が患者の目に直接使用するほどの純度と信頼性を持つと言われるものだ。
もちろんそこまで行かなくとも、白色ワセリン自体も普通の人にとっては十分すぎるくらいに純度が高く、安全性もある。
何しろ赤ちゃんが口に入れても大丈夫というほどだから元々の心配はないかもしれない。
けれど繰り返すけれど、やっぱり気持ち的にも敏感な方だったら「もっと良いもの」を考えるだろう。
また、
「ふつうの人が肌に塗っても平気かも知れないけれど、自分の肌の敏感さってどのくらいなのか心配になるんだよね」
という方もいるにちがいない。
どちらかというと私自身もこういうタイプの考え方だったりするのでその気持ちはよくわかるから、そういう場合にはちょっと値が張るけれど、最初からプロペトやサンホワイトを考えるのも手だと思う。
顔との関係―日焼けが防げるのかどうか?
白色ワセリンはあくまでも基本的に保湿剤として用いるべきものだ。
なのでワセリンと聞くと火傷などにも使えるということを知っている方は、日焼けを防ぐことも出来るのではないだろうか、というように考えることもあるだろう。
実は間接的ながら、顔の日焼け止め対策としても使える。
それは後回しにしておくとして、まず直接的には肌が日焼けをしてしまった後、かさついたり乾燥して荒れるのを防ぐための保湿剤としていちばん役に立つのが白色ワセリンとなる。
これは火傷した時などに応急的に患部に塗って治療する時に使うことからも想像が付くと思う。
そして直接の日焼け止め効果自体はないのだが、実のところすごく役に立つ。
たとえば、UVカットのサンスクリーンなどは、成分が肌にきつすぎて、直に塗ると肌トラブルを起こしてしまう人も多い。
そういう場合、下地としてこの白色ワセリンを塗り、その上でサンスクリーンを塗る、という方法がある。
こうやっておけば、肌に直接サンスクリーンが刺激することも避けられる。
また、日焼け止めを塗った際に生じやすいムラも防いでくれるし、汗などで落ちやすいサンスクリーンの持続をカバーしてくれたりすることも期待できる。
だからその後の処置にも大変役に立つのだ。
さらに付け加えれば、それでいて大変安価。ネット上の通販サイトを見れば500gポット入りの白色ワセリンがせいぜい7,8百円くらい。
なので私もそうだが、知人にも入浴後の保湿用に、この白色ワセリンを使う人もいる。
私も以前は化粧水や乳液を買って、そこに含まれている成分と相性が合うのか合和無いのか、というイタチごっこを続けていたものだが、それが今のところピタリとやんでいる。
そういうものよりも遙かに安いし、言ってみればワセリンという単一の物質で出来ているだけだから、どの成分が肌との相性がよいのか悪いのか、と心配する必要もない。
顔や肌に塗る時には適量を心がけること
最後になるが、具体的にこの白色ワセリンを、日焼け止めに塗る時がいちばん神経を使うかも知れないので大まかなとらえ方だけお伝えしてみよう。
上記の通り、日焼け止めの前に白色ワセリンを塗ることになるが、まず当然のこととしてなるべくべたべた塗ることなく、顔であればコメ一粒くらいを伸ばすように塗ること。
そのくらいの薄さを心がけて、体の他の部分も塗るようにするとよい。
あまりべたべた濃く塗ってしまうと、空気中のチリやホコリが付いてしまい、返って肌にはよくないからだ。
そして日焼け後。
まずメイク落としなどで洗顔した後、化粧水やクリームなどで保湿処理をした後、白色ワセリンをその上に再び薄く塗るようにする。
こうすると肌から水分が蒸発するのを防ぎ、保湿処理の効果が一段と上がるのだ。
季節的に日差しが強い毎日が、まだまだ続く。
そしてこれからは乾燥の季節に向かう。
こうした重宝なアイテムを駆使して、ぜひそういう季節の移り変わりに気を配っていただきたい。
遠藤朱夏(えんどう あやか)