孤独死が急増の一途。
でもその原因を考えてみれば老人世代だけなく若者、私たち30代も含めて社会の現役者もまた孤独死のリスクが十分ある。
現に都心部では男女合わせて90人あまりの20代、150人あまりの30代が孤独死が原因で亡くなっている。
女性は男性に比較して割合に社交的な部分があったりするので、たとえ独身生活のままだとしてもそれなりに知人友人と連絡を取り合っていることも多いけれど、もちろんそれだって絶対ではないし、確かに一人暮らしの若い女性も命を落としているのだ。
この孤独死、そして若者にはどんな原因があるのか?
少し追いかけて、そして対策を考えてみよう。
孤独死しかけた30代の女性!その原因を考えれば対岸の火事ではない!
孤独死で命を落とす人は全国で3万人と言われ、そのうちの大半は老人世代だ。
だが徐々に50代や40代、そして30代あるいは20代の若者、と社会の現役世代にも増えてきている。
孤独死の原因はもちろん“孤独”しかないワケだけれど、若者や若い女性といった、今まで割合少ないだろうと考えられている人たちにもどうやら増えている。
女性を中心に原因を求めてみると、一つには若者世代でありながら、友人や知人との付き合いが希薄になってきている人が少なくない、ということ。
特に実家住まいで今まで両親と友に暮らしていたような女性は、両親が死亡すると孤立しやすくなる。
なまじ見込んで実家住まいだった物だから肩身も狭く、近所や友人との付き合いも少なくなってしまうのだろう。
もう一つは、孤独死の原因になるような病気、特に今までは中高年に特有と言われているような病気が若者にも広がりつつある、と言うことがある。
たとえば糖尿病とか脳梗塞、心筋梗塞など、徐々に若者世代にも増えつつある病気がこうした死に方を若い世代にまで広げていることになっているのかも知れない。
このことで一つ、脳梗塞にかかって命を落としかけたという30代の独身女性の話がある。
マンションに一人住まいだった彼女は、ある朝いきなり脳梗塞の症状が現れて部屋の中で昏倒。
そのまま放っておけば間違いなく死に至ったそうだが、幸運なことに電話をかけて彼女がなかなか出ないことに不信を感じた友人が気づき、彼女の自宅マンションを訪れて異変に気づいてもらったそうだ。
脳梗塞は恐ろしい病気で、たとえ助かっても後で脳細胞の壊死などにより後遺症が残ることも多い。
現に彼女も多少その後リハビリをする必要があったそうだが、こうした脳梗塞や心筋梗塞、というのはいま確かに40代、30代の間にも増え、喫緊(きっきん)の問題になっている。
そして彼女の場合、幸いにも友人の機転で助かったけれども、もしもそういう友人すらいないような女性だったらどうなっていただろうか?
すごく重い問題だけれど、ともすれば女性であっても昨今は一人暮らしの上にそういう横のつながりが希薄になっている人も多いし、その傾向は徐々に強まっているはずだ。
孤独死は絶対に若いからと言って安心できない。
対岸の火事などではないはずなのだ。
コミュ障は孤独死予備軍?交流を避けるのも考え物!
こういう孤独死は原因を考えてみて若者世代、30代女性にもあり得るということ自体は怖い物ではある。
ただ、そうはいってもだからと言ってなかなか根本的にそういう死に至るリスクを回避したり、防いでいくことは難しいはずだ。
大きな原因として上の様な二つをここであげてみたけれど、他にも若者世代が孤独死に見舞われる原因は多いだろう。
そのうちの一つ、特に若者世代、そして私たちの様な独身女性にもありがちな理由としてコミュ障というのがある。
他人と打ち解けて話したり、話し下手とか相手の気持ちが読み取れない、などという自覚のある人たちだが、こういう風に他人とのコミュニケーションに苦手意識を持つあまり、なまじ苦労して人との交流を必要としないような生活を継続しようとする人も多いものだ。
だがそのため、返ってよけいに人との会話、ひいてはつながりをもつことが重荷に感じてしまい、そういうヨコのつながりを放棄して自分一人の世界に沈んでしまうこととなる。
大人社会でもイジメは横行しているし、仕事の不安定から来るストレス。
そして婚活や出会いの少ないような、横のつながりが途絶えた希薄な人間家系、というように、いくらでも私たちの世代が社会と絶縁状態になる条件がそろってきているのだ。
そこから来る心身への加重で、上の脳梗塞のような、一昔前まではもっと上の世代の人たちがかかるような病気が若者にも蔓延しつつある。
私もその「気」があるので、自分で指摘しておきながらも同時に恐怖を覚えてしまう。
だがそういうコミュ障だと自認しているような女性も確かに増えているはずだ。
だから、ご自身の健康状態を十分チェックすると同時に、友人や職場など、人との交友状態をも見直して積極的に人との交流を図ってみる必要があるのではないだろうか。
コミュ障の方には本当につらいことかも知れないが。
孤独死処理の現場からは40代の方が老人世代よりも多いと言う声!
ただ、孤独死から身を守るためには、確かにそういう心理的な原因を取り除くのが一つの方法だし、またそういう危険があるような健康状態も改善する努力も必要になる。
そういう原因を考えれば遠回りかも知れない。
けれど実情として若者世代、あるいは40代であっても相当な急増があることから、原因を一つ一つ見据えてしっかりと自分で取り除いたり改善する努力も必要になってくるだろう。
怖い話だが、一昔前までは独居老人によるものと考えられていた孤独死、今や40代の独身者の方が多い。
そう断言するのがそうした死亡現場を「後始末」する特殊清掃者の人たちによる話として伝えられている。
(参考 https://nikkan-spa.jp/1223526/2)
若者世代の生涯未婚率が高まる中、女性も独身生活が長引くことと並行して日常生活や食生活が不安定になる中、健康状態の悪化や交友関係の稀薄化がこれからも進んでいくことは間違いない。
孤独死の原因を考えれば、結婚相手も含めてそういう人とのつながりを自ら放棄すべきではないだろう。
コミュ障であってもかまわない、話す相手がしらけてもそれはそれで試練と考えて良いはずなのだ。
とにかくはしっかりと人間関係、ヨコのつながりを大切にすることが孤独死を逃れる一番の方法にちがいない。
遠藤朱夏(えんどう あやか)