多才な芸能人でアーティスト、星野源さんは、実は病気をすることが多いことでも知られる。
だが、同時に今は発症していないが、実のところ今後も後遺症が現れる心配がある、ということをご存じだろうか?
しかも星野源さんの病気というのは特別なものではな。
彼の年齢は私たちとほぼ同じだし、その後遺症の可能性とともに私たちでもかかってしまう可能性すら秘めている。
幸いにも星野さんは命を取り留め、そして今のところ後遺症も見られないということだが、今後もふつうに活動が続けて行けるのか、心配の絶えないところだ。
いったいどういうことなのか、その病気の実情とともに彼、そして私たち自身にとって、今後の予防などどうすれば一番良いのかを考えてみたい。
星野源を通して分かるくも膜下出血という病気の怖さ
星野源さんは16年11月に体調不良で「ベストアーティスト2016」の出席を辞退していたが、その原因は以前かかっていた病気、くも膜下出血の再発ではなく単に過労だったと言われている。
だからその後遺症などではないようだが、実のところくも膜下出血というのはそういう疲労やストレスも引き金になって再発したり発症したりすることも知られている。
そしていったん発症すれば、年間1万人以上もの人が命を落とす、非常に危険な病気でもある。
その症状のつらさ、星野源さんは「情熱大陸」でも語っているが、恐ろしいほどの頭の痛みで、飲食も睡眠すらできず、3日間を過ごしていたことを告白しているほどだ。
この病気は脳内の動脈に動脈瘤という「こぶ」ができ、それが突然何かのきっかけで破裂することで発症する。
それこそ星野源さんが発症したように、何も前触れがないことが多いのだ。
そして後遺症。
ろれつが回らなくなったり、嚥下(えんげ)しづらくなる、視野狭窄や記憶障害など、様々なものがある。
これらが患者の内、命を取り留めたとしても2割に発症してしまう。
死亡率も高いし、初回の出血で5割が死亡するほどだ。
再発率も高い。そしてまた、再発した方が初回の発症よりも死亡率が高くなり、6割が死亡すると言われている。
これらの事実を見直すと、星野源さんは今まで再発間でありながら、後遺症もなく、良く無事で過ごしている、ということに感動すら覚えるのではないだろうか。
決して対岸の火事ではない、彼のシチュエーションは私たちにも
星野源さんはこの病気に2012年12月、レコーディング終了後急に田尾選れそのまま病院へと搬送されて急遽手術になった。
この病気の一つの特徴だが、彼のように寒い空気の中で起こりやすくなる。
そしてもう一つ押さえておかなくてはならないのは、くも膜下出血というと私たちのようなアラサー世代には無関係な、ふつうならば40代,50代の人がかかるものと考えていた人も多いはずだ。
だが同じくも膜下出血のうちでも、「脳動静脈奇形」といって、もともと脳内の血管の形が正常でない人も多く、そういう人たちは20代、30代でもかかることが多い。
星野源さんの場合、31歳の時に発症したことを考えれば,おそらくこれだろうし、同じような脳動脈をしている方だったら彼と同じ私たちの年代で発症しても不自然ではない。
星野源は愛煙家か愛飲家?高血圧の人も注意!
後遺症もなく芸能活動を着々と営んでいる星野源さんは、奇跡とも言えるかも知れない。
だがこの病気、そういうわけで、こんごも後遺症の発症には大変な気配りが必要になるはずなのだ。
もちろんもともと発症しないで済ませられればよいのだが、そのためにはいろいろな原因と言われるものを取り除く必要がある。
よく言われるのは高血圧、たばこやアルコールといった生活習慣だと言われている。
星野源さんが愛飲家か愛煙家か、ファンの方たちも含めてよく分からないかも知れないし、そういう情報もなかなか行き当たらない。
だが一方、この病気は高血圧の人がよくかかると言われるし、また太っている人よりも痩せている人の方がかかりやすいのだ。
高血圧かどうかもまた分からないが、星野源さんの体形を見れば確かにやせ形だとは言える。
はたからみている私たち「第三者」も例外ではなく、この病気のもう一つの特徴として、男性よりも女性の方が発症しやすいことが知られているのだ。
高血圧の人は、寒い時期には特に注意した方がよいかも知れない。
この病気からの復帰は奇跡か?彼の活躍に今後も注目を
私の周囲にも、よく知っている女性で初孫ができたばかりの初老の方がこの病気でいきなり命を落としたことがあった。
やはり冬の寒い季節の頃だ。
星野源さんにとっても子供の頃はパニック障害という心身症から立ち直り、そして今回、死に至る危険のあるくも膜下出血から無事生還している。
そしてその症状のマニュアル通りというか、再発は発症後、半年から一年の間に起こる確率が3割~6割と言われている。
たしかに星野さんの場合、半年後の13年6月、定期検診で再発が確認され急遽演奏活動中止となっている。
ただ、その再発の後も後遺症もなく過ごしているのはさらなる奇跡と言えるのではないだろうか?
なにかの運命を彼に感じずにはいられないし、彼の曲はそういう自身の実体験を通して、そこに夢と希望を乗せているからこそ光るものが増しているとも言えるにちがいない。
14年には完全復活を果たし、その病気の時の心境、そしてそこから脱して未来に目を向ける意味でつくられた「SUN」はそんな曲だ。
アーティストとして芸能界で仕事をし続けるのは、彼にとって今後も過酷なものが続くにちがいない、確かに再発や後遺症の心配もぬぐい去れないだろう。
どうか健康に注意して、くれぐれも体に過度の負担をかけないよう活動を続けていただきたい。
遠藤朱夏(えんどう あやか)