足湯と来れば、冷え性を改善する効果が目的。
女性の立場から考えれば、そう言い切ってよい。
冷え性はとにかく女性特有だし、その大きな原因は自律神経の乱れとも言われている。
足湯というのは、その自律神経のバランスを整えてくれると言うことで大きな効果が期待できるのだ。
でもやり方を間違えると効果がなくなってしまう。
だから十分注意しなくてはならない、と言うことも事実だ。
どんな注意なのか、正しい足湯の入り方と、個人的な意見と主張もちょっと語ってみたい。
足湯のコツは温度と時間!一定の水温をしっかり保つ!
足湯は普通の入浴とちがい、単に足をバケツかゆ桶に入れてお湯を入れて温める、それだけの手間しかかからないから、かなり見かけはお手軽だ。
そしてその効果も実際やってみれば分かるけれど、大変素晴らしいものがある。
普通の入浴とちがい、足だけを温めるので、風邪をひいたりしているときでも簡単に実行できるし、自律神経の安定や代謝機能の改善にも役立ってくれるのだ。
ただし足湯の効果はあくまでもそれなりに温かなお湯に浸かり「続ける」ことがひつようだし、
また一定以上の浸かっている「時間」も大切だ。
普通に考えれば確かにこういうことに行き着くと思う。
そこでまず温度。
大体よく言われているのは40~43℃くらいのお湯と言われている。
温度をいちいち計る面倒をかけたくなければ、最初にこういう温度に体を浸けてみて、その感触を覚えておくとよいだろう。
大体は手でも足でもつけてみればちょっと「ぴりっと熱い」くらいの温度のはずだ。
そしてこの温度を保ったまま、最低でも10分、理想的には20分くらい足をつけておく必要がある。
もちろんその間浸けている間に必ず水温は下がってしまうので、つぎ足しのお湯を用意しておく必要がある。
つまり温度を一定に保つようにするのだ。
けっこうこれが面倒だという方もいるので、そう言う場合には電気を使用して一定温度を保つ「足湯機」もある。
もちろん値段はそれなりだから、最初に普通にお風呂の桶などを使って継続できるかどうかをご自身で試し、その後で買うかどうかを考えればよいかも知れない。
足首を回す、足の指でグー、パーする
そして足湯に浸かったまま、お湯の中で足の指でグーしたりパーをしたりして動かすとよい。
また、足首を回すのもよい。
こうすることで足回りの血行をより促進できるし、暖まる効果もよくなるはずだ。
もちろん普通にお風呂に入っているときなどにもこれは応用できる。
ちょっと脱線だが、お風呂に普通に浸かっているときには、体が温まってきた頃合いにやってみるとよいし、その時にはもちろん足だけでなく、手の方も同じ。
お湯に入ったまま、手の平でグーやパーを繰り返したり、肘を曲げたり伸ばしたりするのもよいだろう。
もちろんお湯に浸かったまま、足の膝を曲げたり伸ばしたりするのもおすすめだ。
冷えの原因は自律神経の乱れから!
自律神経の乱れる原因は、この後にお伝えしている運動不足もそうだが、ストレスや間違った生活習慣、それによる冷暖房、さらには食生活の乱れなど、いろいろなものがある。
体温の調節もそう言う自律神経のバランスによって行われているのだが、上の様な原因からそのバランスが崩れると、結局体温の調節機能が低下してしまうこととなる。
この体温調節が上手く出来ないことが、つまり冷え性なのだ。
足湯の効果はそういう乱れた自律神経のバランスを一時的にしろ整えてくれる。
だから足湯を常に心がけて行うようにして入れば、その効果も安定して素晴らしいものになる。
特に冷え性は女性特有と言われるほど、女性だけに見られる症状とも言われているが、この理由は一つには、女性は男性よりも筋肉の比率が少ないことが挙げられている。
筋肉を発達させれば血行がよくなって代謝機能も増進し、体温も上がって免疫力もアップするのだが、女性の場合皮下脂肪が男性より厚く、そこに筋肉が少ないことも手伝ってどうしても冷え性が多くなってしまうのだ。
だから自分自身にとって何が一番自律神経を乱しているのか、その原因を突き止めることも冷え性改善には大切なこととなる。
足湯はあくまでも次善策?本当に冷えから脱出するために見直すべきなのは運動不足!
最後になるけれど、そういうわけで足湯というのは普通の入浴とちがい、風邪にかかっているときでも出来るし、また半身浴や腰湯などより手軽に利用できるというメリットもある。
また、最近では「足湯たんぽ」などという、スリッパの形をして家の中を歩き回りながらでも足を温めるアイテムなどもある。
インスタントだけれど、そういうものも活用してみるとよいだろう。
ちなみに私の場合、デスクに座っているときには電気コードをつないで温めるスリッパ型の足湯たんぽを使っている。
動き回ることは出来ないけれど、座業の多い自分にとってはこれで十分だ。
だが、元々なぜ冷えがきつくなったのか、なぜ足湯などの効果を当てにして、自律神経を整えて冷えを改善しようとしなくてはならなかったのか?
そういう根本的な部分をしっかりと考えていくことがまず大切ではないだろうか?
足湯の効果は期待してよいわけだけれど、そもそも冷えにつながる自律神経の乱れがなければよかったわけなのだ。
その自律神経の乱れとなる最大の原因は何と言っても運動不足。
都心などだとちょっと近場でも地下鉄やバスなどの交通の便が発達して、わざわざ歩く必要さえなくなってしまっているが、あくまでもそう言う基本的な運動すらしなくなってきた結果、血行が悪くなり体温が低下。
自律神経の乱れが深刻になるようになったのではないだろうか?
だから冷えを根本的に改善するためには、そういう運動不足こそ見直す必要があるだろう。
体を温める運動としてよく言われるのはストレッチやスクワット。
特に体の筋肉の大きな割合を占める太もも。
その筋肉を発達させるスクワットは、一番効果的だ。
また、ウォーキングを毎日行うことで代謝能力や免疫力をアップし、自律神経のバランスを整えてくれる。
歩いて10分か20分くらいの距離だったら、地下鉄を使わずぜひウォーキングをかねて歩くことを心がけて見るとよい。
自律神経の乱れというのは、ある意味自律神経がバランスを整えるチャンスを「行き過ぎた」冷暖房や、便利すぎる世の中での運動不足。
それらによって、体が“過保護”にされてしまったツケかも知れない。
人間の体というのは鍛えていないと衰えるわけだし、冷え性が頑固だという場合には、自分の生活などで何かが足りないにちがいない。
そう思う謙虚さも一方で大切になるのではないだろうか。
遠藤朱夏(えんどう あやか)