乳がんが、女性の罹患するがんの中で最も多い。
その乳がんも遺伝のものがあるともいう。
自分の母親が乳がんの既往歴(過去に病気にかかった経験)があったり、現在も治療中な場合、遺伝ということを考えれば身につまされる女性も多いだろう。
そして母親の立場の女性もまた、娘が万一そうなれば自分のせいでは、などと考える人もいたりする。
本当にこのあたり、乳がんと言う病気の難しさになる。
だが遺伝というものはどれほど深刻に考えるべきなのだろうか?
娘さんをもつ母親の方たちにとっても決して軽視できない問題だろう。
一体私たちはこの乳がんという病気、どう考えて行けば良いのだろうか?
母親からの遺伝でなくても乳がんにはなるし、同じように命にかかわる
フリーアナウンサーの小林麻央さんが、わずか34歳の若さで乳がんにかかり、亡くなった。
麻央さんの母親も乳がんの既往歴があることが知られている。
闘病の努力も空しく、夫で歌舞伎役者の市川海老蔵さんと二人の幼い子供たちを残してしまうという、悲しい結果になってしまったわけだけれど、その小林麻央さん自身が自身のブログで精密検査を受け他時の結果を報告していたことがあった。
既往歴がある母親の女性も複雑な心境だったことだろうけれど、病院での検査の結果、小林麻央さんの場合は遺伝ではないことが判明している。
これはブログKOKOROの中でも麻央さん本人が明らかにしていることだ。
なお、ここで乳がんと遺伝との関係を大まかにお伝えしてみたい。
結論から言えば親からの遺伝が原因でかかる場合、特に「遺伝性乳がん」と呼んでいる。
けれど、母親がそうだからと言って、発病するかと言えばそうとも限らない。
娘の女性が遺伝によってかかる割合は、多くてもせいぜい1割、5~10%という低さだ。
実際、基本的にがんは遺伝しない病気とも言われているようだし、実際母親と娘が二人とも乳がんにかかっても、母子の病気は“別物”だと診断される場合だってある。
小林麻央さんがまさにこのケースに当たるだろう。
ところが母親以外、自分の血縁を広く見た場合に既往歴がある女性がいたら、当の自分も1.5倍ほど発症率が高くなる、などとも言う。
(参考 http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g1/q05/)
要するに、遺伝性で無かったとしても、血縁者に既往歴を持つ人が居れば自分もかかりやすい、ということの様だ。
ひとまず私個人の結論とさせて頂きたいけれど、いろいろな情報が氾濫しているので、十分にご注意いただきたい。
女性だったら誰でも心配しなくてはならない?
小林麻央さんも、自分の母親が乳がんだったから気にしていたと言うことはブログでも語っていたけれど、はからずも自身が同じ病気で命を落とす結果となってしまった。
実の母親は、夫・市川海老蔵さんの母・希実子さんとは異なり表に出ておられない一般人のようだけれど、恐らくは娘さんがああいう悲しいことになってしまい、ある面で呵責にさいなまれているのかも知れない。
だがハナシを戻すけれど、今乳がんにかかる女性は毎年のように増加の一途をたどっている。
確かに遺伝もあるかも知れない、そして血縁者同士の既往何らかの関係もしているかも知れないけれど、ごくごく単純に考えてみよう。
かかる女性が増えている、と言うことは、母親や血縁に関係なく、かかる人はかかる。
これだけは医師などでなく、誰が考えてもはっきり分かるはずなのだ。
よく知られている典型的なケースが元プロレスラー、北斗晶さん(49)。
彼女も自身のブログで
“私の家族や身内には誰一人乳癌になった人はいないのに”
と悲痛をにじませて語っている。
(https://ameblo.jp/hokuto-akira/entry-12076321816.htmlより)
一方、遺伝性乳がん自体、乳がんの中の一部でのみ証明されているにとどまる、という情報もある。
あくまでも細かなことは専門医に聞くしかないけれど、少なくとも子の病気にかかる女性は毎年のように増加しているという事実は揺るがない。
だから北斗晶さんのように女性なら誰でも、そして小林麻央さんのケースのようにある意味どんな年齢でもかかってしまう病気になりつつある、と言って良いかも知れない。
言い切るのは怖いけれど、事実なはずだ。
ご参考になればと思う。
一番大切なのは病気にかからないような生活と、診断を怠らないこと
そんなわけで乳がんというのは、母親がそうだったから、というわけではない。
遺伝があってもなくても発病する。
むしろ罹患率自体がどんどん高くなっているわけだから、ここでこの病気に対して一番考えなくてはならないことは別にある。
それに取り組むべきなのだ。
そこで一番大切なこと。
一つには病気にならないような生活をすること、そして万々一に備えて十分な検診を継続的に受けること。
これにつきるだろう。
そしてさらに言えば、もちろん病気にかからなければ一番良いに決まっているワケだから、遺伝とか母親が乳がんだとか、そういう情報はさておいたとしても、
“どうすれば病気にかかりにくい生活を過ごせるようになるのか?”
それを真剣に考えて実際に行動することが一番大切だ。
ただ、本来だったら病気の原因がはっきりすれば一番良いわけだけれど、現実には母親からの遺伝があるとか無いとか、今の医学がそういうレベルで原因究明に“現在進行形”みたいになっているようだ。
私たちが病気の原因など突き止めようがない。
ただ、それでも生活の指針、予防のための知恵のようなものは確かにあげられるだろう。
よく言われるのは欧米型の食生活、女性の社会進出とか非婚化などが子の病気の原因として出て来ることが多い。
でもこういう原因、よく思うのだけれどすごく漠然としていて、すぐには改善できないようなことばかりではないだろうか?
そしてまた、遺伝でない乳がんがこのように増加しているのは、他にも原因があるのではないだろうか?
そんな風にも考えてしまう。
おそらく多くの女性も同じ気持ちではないだろうか?
そこで私は一つの提言として、あることをオススメしてみたい。
それは他でもない、過労を蓄積しない、蓄積し続けないこと。
もっと簡単に言えば、たっぷり睡眠を取って、しっかりと毎日の心身の疲れを取ることだ。
たっぷりで良質な睡眠は一番手軽に免疫力を高め、生活習慣病やストレスをもいっそうしてくれる。
睡眠不足から風邪にかかる経験を多くの方が持っていると思うけれど、その睡眠不足が常態化している。
でも睡眠不足よりも仕事、生活が大事。
そしてそれを避けるべきことだと無視しようとするのが今の世の中ではないだろうか?
実際、慢性的な睡眠不足によって過労がつのり、免疫力が低下することでがんの発症率が高まるとも言われている。
これはぜひ押さえておいていただきたいことだ。
逆にしっかり良質で深い睡眠を取ればそういう体調不良も治してくれるし、代謝も向上する。
そして美肌効果さえあると言われている。
他にも運動でストレス解消したり、入浴リラックスしたりという方法も考えられるけれど、中でも睡眠時間をしっかり確保することは仕事や健康に一番直結すると感じるし、とりわけ乳がんなど、がんの予防にも一番手大切に感じる。
そして何より、睡眠は私たちが最も軽視しやすい生活習慣の一つあると同時に、生活の一番基本となることではないだろうか?
日本人の感覚にはたっぷり寝ることがなんだか怠惰、罪悪感を持つイメージもあるけれど、むしろ健康維持には欠かせないはず。
だから予防方法として一つに絞れば、睡眠。
ぜひ強調しておきたい。
そして繰り返すけれど、定期的な検診を怠らないこと。
これをぜひ取り上げ、そして、その見直しをお考え願いたい。
遠藤朱夏(えんどう あやか)