SMAPのメンバーたちで、打ち上げが大晦日のとある港区の焼き肉店で催された。
文字通りSMAPの最後の集いになるのかも知れなかったが、訪れたのは4人。
木村拓哉さんだけが入っていなかった。
木村さんについて他の4人とも楽屋が別になるなど、不仲説が大きくなっていたが、ある意味この打ち上げという最後の場面でも姿を見せなかったことで決定的になっていたのかも知れない。
だが他の4人は元々薄情だというわけでもなく、もしかしたら木村さん自身何らかの事情があって来れなかったのかも、という疑惑も残る。
その裏付けのように、かつてのメンバーだった森且行さんが同席していたという。
思えば不思議な打ち上げだけれども、森さんという旧来の戦友屁の友情、そして木村さんへは動かしようのない現実。
それがない交ぜになっているのかも知れない。
SMAPに対する自分の素直な気持ち、考えを語ってみたい。
マスコミ、ファンや視聴者がSMAPに大きく振り回された1年
SMAPが解散の打ち上げといって催した焼き肉屋での会食は、驚くことに紅白歌合戦の放送された当日だったということ。
なぜ紅白に出なかったのかは、表向きメンバーたちの辞退の意向を事務所が重く受け止めた結果ということになっているが、事務所の影響力によって紅白の出場が決定するというのはほぼ公然の秘密とも言える。
だから事務所サイドがまだ所属タレントのままでいたSMAPのメンバーに出場させようとすればできたと言えるかも知れない。
だが最後の最後で、SMAPのメンバーはそういう事務所に対して反旗を翻した,というべきなのだろうか、それとも自分たちの意志を最後に示した、ということになるのだろうか。
打ち上げの中でどんな会話が合計5人の間で交わされていたのか、今のところは分からないけれど、そのうちメンバーの誰かでもこの後テレビのバラエティ番組などにゲスト出演する機会があるごとに、少しずつ真相が分かってくることだろう。
今は25年の長きにわたってファンや視聴者の方たちを楽しませてくれた、その努力と苦労に心から感謝するばかりだ。
そしてまた、16年1月に始まったSMAP脱退騒動以来、マスコミが先導する形でファンも視聴者も大きな影響を受け、振り回された感がある一年間。
あらためてこのグループのすごさというのは思い知らされた感もある。
彼らのホンネは紅白辞退と打ち上げにすべてが語られている?
そして同時に、今でも興味が尽きないが、そういう騒動の発端をつくった彼らのホンネというのがいったいどんなものなのか。
SMAPの育ての親といわれる飯島三智元マネジャーもジャニーズ事務所を退職し、その後の彼女のコメントも途切れ途切れに聞こえてくるものの、いまいちSMAPに対する考え方とか、個々のメンバーに対する心情は見えてこない。
ただ、現実問題として、SMAPが解散して一人一人になって芸能活動するのは利害的にマイナスだ、という意味のコメントは発している。
5人がそろってこそ最強であること。
それを一番良く知っているのが彼女にまちがいないし、元々事務所の系列会社だった株式会社ジェイ・ドリーム(社長 ジャニー喜多川)の取締役だった彼女にしてみれば、冷徹な実利の視点からそう言い切るしかなかったのだろう。
紅白辞退を断交したのは、あくまでも事務所からの離脱の意志を示すため。
そして同じ時間に焼き肉屋で打ち上げをするのは、ある意味彼らのホンネ、というよりは一種の「心意気」だったのかも知れない。
そうでなければ打ち上げの席にわざわざジャニーズ事務所を辞めて今はオートレーサーになっている森且行さんを合流させることもしなかったと思うのだ。
事務所との関係、束縛による強固な制約よりも、仲間、友情の重さ。
それが何より彼らには大切だった。
そう考えると、ファンでない私も泣けてくるのだけれど、4人はそのことを見せて、知らせたかったのではないだろうか。
木村拓哉の打ち上げ不参加は好意的にとらえるべき
そして、木村拓哉さんについてはこの最後となる焼肉屋での打ち上げでも参加していなかった。
この点非常に謎も深まるし、それだけ他の4人と木村さんとの関係が悪化していた、いわゆる不仲説に燃料投下をしているような結末にも思えてくる。
だが今後この最後の不参加について、その理由は彼自身からも回想の場面などでテレビその他のメディアを通して語られることだろう。
今はとにかくそっとしておくべきではないだろうか。
最後に。
SMAPの活動を思い返せば、不思議なグループだと言えるのではないだろうか。
嵐のように単に女性ファンにアピールするのではなく、いわば老若男女すべて含んだ厚い層のファンがいると言って良い。
だからこそ国民的アイドルとも称されるゆえんだろうし、現に現職首相の安倍総理までがグループ解散に言及したりしていた。
アイドルグループにもいろいろな人たちがいるけれど、彼らのようなグループがまた生まれ、世間によい風をもたらしてくれることを願いたい。
山口昌子(やまぐち あきこ)