秋になると抜け毛が増える、というのはよく聞くことだ。
だがそれを過度に気にしない、という気持ちもやっぱり必要だということだ。
それはなぜ秋に抜け毛が多いのか、その原因と、同時にそれに対する正しい取り組み方を知るにつれてわかってくる。
おちゃらけにするつもりはないが、心配しすぎると禿げる、というのも一面真実だし、正しい知識を持つこと、不必要に怖がらず気にしないでいることもやっぱり必要なのだ。
どう考えて何をすればよいのか?
それを語っていこう。
秋に抜け毛が増えるのは自然な生理現象!むやみに気にしないこと
まず秋に抜け毛が増えるのは、人間も含めて動物の自然な生理現象によるものだ。
だからまず、ごく自然なものだと言うことを押さえていただきたい。
どういうことかというと、動物は冬に向けて、秋になると夏の毛から冬毛に変わらなくてはならないため、この時期にどっさり毛が抜けることとなる。
ペットを飼っている方はお分かりのはずだ。
そしてこういう動物特有の生え替わり遺伝子が、人間にもある。
秋に抜け毛が増えるのは、まずそういう遺伝子を人間も受け継いでいるために他ならない。
ただ、人間の場合、普通の猫や犬などの動物よりもこの現象はちょっと複雑になる。
具体的に言うと確かに実際、統計を見ると秋になるとよく毛は抜けることになるのだが、別な統計によっては秋よりも夏の方がもっと増えるというデータもある。
これは一つには人間が社会活動を営んでいるためで、まず夏バテ、夏の強烈な紫外線による頭皮や毛髪のダメージによるものでもあると言われている。
そしてもう一つは、不規則な生活習慣や慢性的なストレスに晒されながら、社会生活を営んでいると、夏や秋の「ふつうに抜ける」現象を加速し、自然現象よりもさらに多く抜けるという場合もあるのだ。
ただそれでも普通の場合だったら、季節が過ぎて毛の抜け方が一番少ない冬から春になれば普通に戻るし、あまり気にしないでおく方が精神衛生上もよいはずになる。
いずれにせよ夏と秋はそういうわけで、一年の中で毛が抜けやすいのだ。
だからそういう季節、ずいぶん毛が抜けるのを目の当たりにしてぞっとするともあるかも知れない。
でも、だからといって普通、あくまでもそれは自然のサイクルの中のもの。
普段のレベルでは気にしないでおく方がよい。
気持ち的にも
「ああまた秋だから始まったのね」
くらいに考えておくべきだろう。
秋になれば1日200本抜けても普通!ただしシャンプーには注意!
よく言われる1日の抜け毛の本数の平均。
これは大体50本だとよく言われている。
それが実のところ、秋そして夏などには激増する。
大体多い人で1日に200本も抜ける場合があるのだ。
200本と聞くとどうしてもぞっとする人も多いかも知れないが、それでも上記の通り、これはあくまでも自然現象。
確定的ではないが少なめのデータもあるにはあって、たとえば30代女性が平均的に一日に生じる抜け毛の本数は、110~120本くらい。
そのデータは夏場の方が本数が多くて120~130本くらいを推移している。
ただしシャンプーしたりすると、ごっそり抜けてしまう。
これは注意したほうがよい。
どのくらい抜けてしまうかというと大まかにしか言えないが、1回のシャンプーで150~180本が抜けたというデータがある。
この原因は皮脂膜によるもので、シャンプーによってこの皮脂膜を除去してしまうことにより、頭皮や毛髪を守ることが出来ず、髪の毛が抜け落ちてしまうのだ。
だからシャンプーによる洗いすぎは禁物。
言ってみれば入浴時に体の表面の脂肪をあまり落としすぎると乾燥肌になったりするのと同じと言える。
適度に油分を保ちつつ、保湿を心がける配慮がシャンプーの時にも必要となる。
髪の毛を洗いすぎないこと。
具体的に言うと、温めのお湯(38度くらい:ちょっと体温より高いくらい)で洗い、汚れを2,3割残すくらいの程度にして、1箇所につき2,3回くらい洗うだけにする。
これだけは注意しておく方がよいだろう。
生活習慣や食習慣を見直すこと!季節の正しい抜け毛サイクルをきっちり確保
だいたいこれで、なぜ秋に抜け毛が増えるのか、それをなぜ気にしないで置いて構わないのかがお分かりになったと思う。
繰り返すが秋は他の動物と同じように人間も毛が抜ける季節だし、ふつうはそういう一年のうちでのサイクルの一環となっているためだ。
ただ、これも繰り返すけれど、人間は社会活動を営んでいるため、どうしても生活の乱れやストレスなど、不通の動物にはない環境の中で暮らすことになる。
そうなると、そういう生活習慣やストレスの悪化によって毛が抜けていく、というのは、上のものとは別に注意して行かなくてはならない。
これは確に心配するべきことだ。
なのでよほどのことであれば気にしないで大丈夫だけれど、自分や周囲の誰が見ても確かに異常なレベルで髪の毛が抜けてきている、秋に限らず目立つ、毛髪が薄くなっているような場合。
そういう時にこそ、真剣に生活習慣などに目を向ける必要があるだろう。
対策は普段のヘルスケアと直結!正しい生活・食習慣を守ってリラックスを
最後になるが、秋などの季節によるものでなく、そういう人間特有の生活による抜け毛増加。
その対策についてキーポイントをあげてみよう。
手短だが一番大切なことを凝縮しているので、ぜひ全てしっかり押さえておいていただきたい。
アルコールやタバコは控える、脂肪の摂り過ぎや食べ過ぎにも注意。
偏食にも注意して、髪の毛の元となるタンパク質もしっかり取ることが大切だ。
そしてストレスを過度に溜めない、規則正しい生活を心がけること。
ウォーキングなどの有酸素運動により、血行を改善することもおすすめしたい。
髪の毛は本来、頭皮の血行から栄養をもらって伸びるから、その血行を阻害するような原因を作ってしまうことが一番の根本的な抜け毛対策の基本となる。
上のポイントは全てこの基本から出発しているものばかりだ。
そしてあまり髪の毛の抜けることを気にしすぎると返ってストレスとなり、そのために増えることもある。
だから心配もほどほどにして、気にしないことも必要だ。
そのためには日常生活の中でリラックスする時間を増やして、毎日を豊かに暮らすことが髪の毛をも豊かににする。
そういうメンタルな部分まで見ていくことこそが、正しい対策だと心得ておいていただきたい。
抜け毛の対策は、そういうわけで、こういう見方からすれば、ふつうのヘルスケアに直結する問題にもなる。
だから、もしも上に上げてみた各ポイントの中で、強く思い当たるものがあればぜひ見直してみることをおすすめする。
遠藤朱夏(えんどう あやか)