初詣には年に一度のことだから、思い切って大きな神社やお寺に参拝しようとする方も多い。
でも神社とお寺はいろいろな違いがあるし、それによって参拝の作法も違ってきたりするのではないだろうか?
これも多くの方が心配することにちがいない。
もちろん初詣だけに限らず、冠婚葬祭も併せて他の時でも神社とかお寺のお世話になることだってあるので、そういう違いを前もって押さえておくのは良いことだ。
それを私と、周りの友人たちの話をまとめておもしろく語ってみたい。
初詣に参拝する時の気持ちの持ち方は神社もお寺も同じ
先にはっきり言ってしまえば、まず初詣で参拝する時に持つべき心がけ、つまりハートの部分は神社もお寺も違いがない。
具体的に言えば、昨年1年を無事に過ごせたことを神仏に感謝するとともに、これからの一年を「どうかまたよろしくお願いいたします」と挨拶をかねて願い出るのが初詣だ。
その気持ちに神社もお寺も変わりないし、両者で特別な心がけの違いはないから、まずこれは安心していただきたい。
そしてそういう共通点については、下の記事にも書いてあるとおりだ。
正月に初詣は意味があるの?行く時これだけは考えておいてほしい3つの知識と心がけ!
でも逆に一つ注意しておかなくてはならないのは、神社やお寺でもせっかく初詣に訪れても、形ばかりでそういう気持ちになることを忘れてはならない、ということ。
私たちアラサー独身者によくあることだが、いつも考えるのは良い出会いに恵まれますように、ということにつきる。
その気持ち、私にも痛いほどわかるのだが、むしろそういう独りよがりの願い事よりも、もっと広く多くの人たちの幸せを願うことも大切になる。
「その筋の人」から言われたことだ。
だからそういう自分に関わることが心配なあまり、どうしてもそういうことしか願えないという気持ちもわかるが、余裕があればぜひそういう多くの人たちのことも考えていった方がよい、というアドバイスだ。
その方が神様も喜ぶらしいので。笑
作法的に確かに違いがある?でも過度の心配は無用!
ただ、実際に初詣にいって神社とお寺を比べれば、確かに作法とか段取りなどで違いが出てくるから、実際にはそういうことを注意しておく必要もあるだろう。
ただ、普通の大きなお寺や神社は、正月の初詣ともなれば大勢の参拝者が詰めかけて、同じ“作業”を行っているのを目にするはずだ。
だから最悪でもそういう人たちのまねをしていれば良いし、普通そういう大きい神社とかお寺ではちゃんとどういう動作をすればよいかが掲示板に説明書きされていたりする。
でなければそこの関係者の人に聞いてみれば一番早い。笑
なお、大まかに神社とお寺の作法の違いを言えば、神社では社の正面に下がっている綱をふって鈴を鳴らしてからお賽銭を上げ、そして二礼二拍一礼。二拍の後でお願い事をする、という手順になる。
鈴を鳴らすのは神様に自分が参拝に来たことを知らせ、手を叩くのは何の邪心もないことを明らかにする意味がある。
お寺での正しい作法は、境内にある線香のお焚き場でお線香を焚くこと。
大きなお寺では本堂の境内の真っ正面にお焚き場があることが多いが、ない場合はもちろんしなくて結構。
そして本堂の正面階段を上がって賽銭箱に賽銭を上げ、両手を合わせて願い事をする、となる。
なお、お寺では、手を叩くのはまずNG。
去年私もこれで失敗していて、アラサー女3人が連れ立って県内の大きなお寺に初詣に来たは良いが、3人そろって賽銭箱の前で神社にお参りするのと同じくぱんぱん手を叩いてしまった。
その原因は、私たちの前にいた初老のおばちゃんがたまたまそういう風に手を叩いていて、それを見た私たちは「手を叩いても良いんじゃない?」とみんなでうなずいてしまったからだ。
でもよくよく見ると、後から続いて参拝に来る人たちは全然みんな手を叩かなかった。
結局間違いに気づいて「げげ!あのおばはんに騙された!」と大勢の参拝客の前で赤っ恥になってしまった。
「騙されたんじゃなくて、あんたがモノを知らなさすぎるんでしょ?」
後で母親にしっかり突っ込まれる始末。
なので
“お寺に参拝するときは手を叩いちゃダメ!”
これだけでよいのでしっかり押さえておこう。
神社は神様、お寺は仏様!ご利益の違いってあるの?
でも普通の人ならば、冠婚葬祭自体が毎度毎度あるわけではないし、初詣の時ぐらいしか神社やお寺にあらたまって出かけることもないかもしれない。
だが最低限の知識として神社は神様を祀っている、お寺は仏様を祀っている、ということを押さえておいたほうがよいだろう。
もうちょっと詳しく言えば、神社というのは日本古来からある土着の多神教ともいうべきもので、“八百万(やおよろず)の神”とよくいわれるように自然の神様や、死んだ人間を祀って神様にしているなど、非常に多くの神様がいる。
これに対してお寺というのは仏教の開祖、釈迦如来を頂点とし、その教えを学んで衆生を救済する僧侶が起居する場所として始まったとされているようだ。
だからどっちがよりご利益があるのか、ご利益自体に違いがあるのか、ということになると何とも言えないし、実際明治時代より前は神仏習合(しんぶつしゅうごう)といって、神も仏もごたまぜにして信仰していた時期もあった。
だからこのことから言えば、初詣で神社に行こうがお寺にお参りしようがそんなに御利益の上での違いはないと言える。
あとはただ、参拝する人の気持ちの満足度、ということになるかも知れない。
以上、ざっと神社とお寺の違いから初詣を語ってみたが、もちろんどちらへ両方とも参拝に行っても全然問題はない。
それどころか、複数のお寺や神社にお参りすることは、御利益が重なると言うことでむしろ良いことだと言われているくらいだ。
そういうわけで、今年こそ間違わずにお寺への参拝をしたいと思う私だが、
「じゃあ、あんまり良い出会いを祈るとき“年収ン百万以上の人をお願いします”、なんて祈るの良くないのかな?」
という友人女性とまた一緒に行くことにしている。
また彼女と一緒で大丈夫かな?と思うんだけど。笑
山口昌子(やまぐち あきこ)