婚活を長い間続けていれば、誰だって挫折とストレスで心身ともおかしくなることがある。
それが婚活疲労だ。
今や35歳以上の女性が10年以内に結婚出来る確率はわずか1%。これで心が折れなければそれこそ異常だ。
私だって同じ身の上だし、それでもよい出会いに巡り会うには、そんな婚活疲労に負けないようにするしかない。
だが、はっきり言って何度もいろいろな男性と出会ってはそのつど失望し、また別れを告げられて平気でいるほど強い心を持っている人は男女共々絶対いない。
でもそんな婚活疲労に負けない方法が実際ある。
だからこそ実際に結婚出来た人だっているわけだ。
そういう人と比較した場合、私たちの何がいけないのか、何か足らないものがあるというのだろうか?
まずは対人関係の見直しから
そもそも35歳を過ぎれば結婚出来ない人の割合が急増する。
明らかに年齢が壁となって、結婚を難しくさせているのだが、当然のことながら、年齢だけを見つめていればノイローゼになるばかりだ。
婚活疲労に負けないためには、このため一方で健全な心を保ち続けていなくてはならないが、実際のこととして、もう一つ大切なことがある。
自分の対人関係を見つめ直すこと。
これがそもそも根本的に間違っていないだろうか、それを自分に問いかけてみるとよい。
私もそうだが、何度か婚活パーティーなどで出会いに失敗していくと、男性はおろか人に会うのもイヤになる。
そして自分の殻に閉じこもり、結局出会うのが怖くなって勢い“こんなに結婚が辛いのなら、一生独身の方が気が楽じゃないだろうか?”という思考に向かってしまうのだ。
だが、このような気持ちの変化を単純には批判できない。
婚活疲労に負けないために、いったん傷ついた自分の心を癒そうと、本能的に人との付き合いを遠ざかっておこうと反応していることだってあるからだ。
注意しなくてはならないのは、これがやみつきになってしまうこと。
変に男性に目を向けない方がひとまず安楽に見えるのだ。
そのために結婚をあきらめたり、独身のままでよいと思うことにつながってしまう。
独身のまま一生過ごすのが本心としてよいのであればそれでもその人の人生かも知れないが、自分の心に正直に向き合うことなく、そういう生涯を選べば必ず後で後悔してしまうことになる。そう言って間違いないだろう。
対人関係というと、何も結婚相手の男性との関係ばかりでなく、もっと自分の周囲を広く見直した場合の対人関係になる。
婚活でギリギリ血眼になっていると、どうしてもそういう人間関係が疎遠になってしまったりおかしくなりがちだ。
なのでもっと肩の力を抜いて、広く自分が周囲にどのような人間関係を造っているのかを見直すこと。
そしてできる限り豊かな対人関係をつくっておくに限るのだ。
結婚は「他の人」が持ち込んでくれた縁でできる場合が多い
なぜ私がこういう考え方を主張するかと言えば、周囲の知人友人で既婚の人たちを見る限り、必ずしも自分たちの力だけで出会ったとはとうてい言い難い場合が多いからだ。
たとえば私とうよく飲みに行く既婚女性。
結婚して旦那もいるけれど、趣味が同じで付き合い上手な女性なので、既婚者と未婚者の違いを越えてずいぶん腹を割って話す仲だ。
その彼女がまさにそういうタイプの結婚で、今の旦那の彼氏を消化したのは彼女がOL時代に親密に世話をしていた得意先の紹介だったという。
私よりも4,5最年長だが、29歳のときにそういう経緯で出会った今の旦那と結婚し、今は子供も二人いる。
その彼女が指摘するのが今まで語った内容だ。
そして婚活疲労についても語っているのだが、婚活疲労に負けないためには、そういういわば“無償の行為をもらえることを大切にすること”だという。
そして彼女の言うには、そういう損得を抜いて、相手のことを本当に思いやってくれている人によって結婚する相手などを紹介される、その時が最強だということになる。
ずいぶんちゃっかりした考え方だが、よく考えれば、子供のときと科学性時代の友人関係は、みんなそれで成り立っている。
損得で付き合う場合もあるけれど、それが強まれば強まるほど楽しくもない友人同士だ。
損得・打算を持ち込んだ時点で相手との関係は薄くなる
結局婚活サイトや結婚相談所、婚活パーティーなども主催や側の損得ずくで行っていることで、その中には仕組まれたセッティングもある、サクラも、そして出席者や登録者のなかには遊び目的の人だって多い。
「それだけじゃない、本気で婚活に来ている人たちだって、結局相手に対して品定め。損得でしか考えないようになっているよね。私も出たことあるから分かるよ」
でも結局そういうそろばん勘定ばっかりの場所でいくら結婚相手を探してもいやしない、というのが彼女の主張だ。
「私もこの人ならいいかな、と思うこともあったけど、何だか後でイヤになって来ちゃうんだよね。だからやっぱり断ったし」
婚活疲労に負けないためには、このあたりに回答があるようだ。
焦るあまり、自分の打算、損得を強調していないだろうか?はっきり言ってそんな関係は、たとえ夫婦になっても薄いものでしかない、と彼女は語る。
「現にそういう結婚した人を見たことあるけど、すぐに別れちゃったし」
そういうときにはむしろ他の人々とのつながりを大切にして、自分の方からそういう人たちに誠実に対応すべきではないだろうか。
よく婚活に夢中になっている人というのは視野が狭いと言われている。
それだけ切羽詰まっているというわけだろうし、私もその一人かも知れない。
だが実のところ求めていたのは自分の老後とか結婚相手の年収など、単なる数字でしかないのではないだろうか。
婚活疲労に負けないためにはどうすれば良いか、いろいろな方々が意見を寄せていたりする。
だが結婚は結局、自分たちの力だけでできるものではないし、まして二人の出会いが自分達だけではどうしようもなかった。それが彼女の主張でもあるだろう。
よい人間関係の中で良い結婚相手もできるはずなのだ。
そういう周囲の人たちとの関係を大事にすること。
遠回りなようだが、結婚を本気で考えれば、一番大切なことにちがいない。
山口昌子(やまぐち あきこ)